会社を退職した日にサプライズで貰ったプレゼントをメルカリに出品したら10秒で売れて1週間後にバレた話

2年前に宗教臭い会社を退職した

 

吾輩は陰キャラである。

 

実感のなかった夏が終わりそうだ。

 

まだまだ暑い日は続く。

 

2年前の2015年のこの時期に俺は前の東京都内の会社を退職した。

 

辞めた理由は"人間関係"と"社風"である

 

実に陰キャラぼっちらしい理由だ。

 

他にも理由はあったが、とにかく職場が宗教臭かったのが苦痛で仕方なかった。

 

朝礼が気持ち悪い

 

まず司会が売り上げ目標などを皆に伝えるのだがその後にコーナーがある。

 

その名も"グッドニュース"である。

 

思い出したくもないのだが毎日一人ずつスピーチをするのである。

 

約30人の大人が一人ずつオチも何もない話をするのだ。

 

例えば、「昨日友達と飲みに行きました楽しかったです。」

 

こういった感じで小学生以下の作文の様なスピーチをしなければならない。

 

凄くつまらない、時間がもったいない、奴らの目的はなんだんだろうか。

 

俺は本当にやる気がなかった。

 

仕事自体はそこまで苦痛ではなかったけど似非一体感が嫌だったのだ。

 

昼食後に謎のハイタッチ

 

昼食は各自のタイミングで行けるのだが後輩が時間を合わせてくる事が多かった。

 

正直俺はこの後輩のY口が好きでなかった。

 

またついて来んのかコイツ、飯くらい一人で食えや。

 

などと毎回心の中で毒づいていたが本人には言えなかった。

 

そして一時間の休憩が終わりオフィスに戻ると変なイベントがある。

 

お帰りなさいハイタッチである。

 

「お昼頂きました」と言ったあとに全員とハイタッチしなければならない。

 

毎回マジでめんどくさかった。

 

マジで気持ちわりー会社だなマジで潰れろやクソが

 

こんな事ばっか考えていた。

 

女性9割の会社で男に発言権が全くないお局クソババアのY田の天下であった。

 

そして実際はドロドロしてる上に仲良くも無いくせに絆を大切にするらしい。

 

そして俺はお局のY田のクソババアが大嫌いであった。

 

何かとつっかかってくるし、業務を卒なくこなしても因縁をつけてくるからだ。

 

声が小さいだの、目が死んでるだの、俺はストレスが日に日に溜まっていった。

 

退職を決意

 

もうこの会社にこのままいたら駄目だと思い社長に全てをぶちまけた。

 

Y田の事も全て伝えた。

 

社長は理解を示してくれて一ヶ月後に辞めれるように進めてくれた。

 

翌日出社するといつもと何か雰囲気が違う。

 

何故か退職を伝えた翌日からY田のクソババアがつっかかって来なくなった。

 

恐らく自分の影響力で俺が辞める事に何かを感じたのであろう。

 

あの世でも反省しとけ糞野郎とりあえず心で毒づいておいた。

 

そして最後の日

 

ここのオフィスももう来る事はないだろうな...

 

淡々と業務を終えてタイムカードを切った。

 

社長に最後の挨拶とお礼を伝えた。

 

するとロッカーから袋を取り出した。

 

俺は一瞬で全てを悟った。

 

"あ、プレゼントだろうな。何貰えるんだろう?"

 

インテリア家具/雑貨関係の会社だから大凡の予想はついた。

 

皆で陰キャラマンさんに喜んで貰えそうなのを選びました!!」

 

後ろの席から後輩のY口が俺に伝える。

 

話が逸れるが俺は他人が選んだ物が昔から苦手なのだ。

 

服、時計などの小物もそうだけど、他人が選んだ物はまず身につけない。

 

別に自分がオシャレとかそういう話ではなく他人のセンスがとにかく苦手。

 

トータルコーディネートを自分で選ばないと気持ち悪さしか残らない。

 

とにかく他人にセンスを押し付けられるのが嫌で仕方ない。

 

そしてここの会社のバカ人間のセンスなんて絶対イケてないに決まっている。

 

「袋を開けて下さい!!」

 

Y口に言われるままに中身を取り出した。

 

某ブランドの財布(ヴィトン、プラダとかではない)である。

 

このブランドか。

 

イケてないグループの大学生とかがよく使っているダサダサの財布だ。

 

一言で言うとダサい。

 

マジでセンスない。

 

人様にゴミを渡すんじゃない。

 

やっぱ分かってねーわコイツら。

 

普段の俺の服装見てわかねーのか。

 

大体このブランド量産型大学生御用達の奇麗目カジュアル系じゃねーか。

 

今ならキャバ嬢の気持ちが分かる気がするぜ。

 

やっぱ他人の選んだ物は苦手だわ、さーて、この場はどうするか。

 

普段無口な俺は目一杯喜んだフリをした。

 

「まーーーーじっすか!! これ前から欲しかったんですよねー!! 」

 

もう一度お礼を言ってからオフィスを出た。

 

財布の行方は

 

家路についてから次の仕事の心配とかどうでも良かった。

 

この財布(ゴミ)をどうするか、それだけを悩んでいた。

 

俺は好きじゃないけど世間的にそこそこ人気はあるし定価が約2万円である。

 

そこで一つ閃いた。

 

当時急成長を遂げていた"フリマアプリ"の"メルカリ"である。

 

これに全てを賭けよう...

 

アプリをダウンロードし写真を登録し説明文を入力。

 

金額は送料込みで15,000円くらいにしておこう。

 

すると数秒でアプリの通知が速攻で来たのである。

 

売れた...

 

相手も入金を済ませている。

 

やったー!!

 

会社絡みで嬉しかったのはこの時だけかも知れない。

 

退職金もないクソ会社だったし退職金として受けて取った。

 

転売したのがバレた

 

会社を辞めて1週間くらいたった頃にLINEが来た。

 

社長である。

 

"お元気ですか?"

 

俺は社長にLINEを返す。

 

"元気です!! 先日はありがとうございました!! 財布もお気に入りです!!"

 

さらに返信が来る。

 

"その財布だけどウチの店にしかないって知ってた?"

 

ん、どういう事だろう。

 

"いや、知らないですけど何でですか?"

 

さらに社長が返信をする。

 

"メルカリ見てたら、出品されてて、出品者情報を見たら○○県でした。"

 

"まだウチでも売れていないのでなんでかな?と思いました。"

 

やばい、バレた...

 

俺は怖くなって社長をブロックした。

 

それ以来会社の人間とは連絡を取っていない。

 

夜道に気をつけよう。